特別展「アマゾンの光と影 ~Beautiful & Dangerous Amazon +UMA」
世界一の大河・アマゾン川に寄り添って暮らす美しい熱帯魚やチョウ、小さなサルたち。 その豊かな生態系は、一方で人間すら獲物となりかねない危険な生物も育んできました。
この特別展では、南米・アマゾンに暮らす美しい生物と危険な生物を、生体や標本でご紹介します。

会期:2013年3/23(土)~2014年2/23(日)
場所:ビジターセンター内特別展示室
主催:財団法人日本モンキーセンター
後援:ブラジル大使館、メルコスール観光局、愛知県教育委員会
   岐阜県教育委員会、犬山市、犬山市教育委員会
協力:名和昆虫博物館、野外民族博物館リトルワールド、株式会社イマイ、
   Select Market
■はじめに
 世界一の流域面積をもつ大河、アマゾン川。アマゾン川とその流域の熱帯雨林は、多様性に富む生態系を育んできました。アマゾンの豊かな自然は、宝石のような昆虫や熱帯魚、鳥類や、多様な種に適応放散した霊長類を生み出し、その美しさは私たちを楽しませてくれます。
 一方で、奥深いアマゾンの自然は、人を寄せつけぬ厳しさも持ち合わせています。水中に棲む危険な魚類や爬虫類の犠牲になる人は後を絶たず、大自然の前に人間がいかに無力な存在であるかを思い知らされます。
 また、過酷な環境は人類のアマゾン奥地への進出を阻み、長らく人跡未踏であった地域では、今なお新種の生物が発見され、UMA(未確認動物)の目撃報告も数多くあります。
 どんな生き物も、自らの生存のために進化してきたのであり、美しいか危険かは人間が持ち込んだ尺度に過ぎません。しかしこの特別展では、敢えて「アマゾンの光と影」と題し、南米・アマゾンに暮らす美しい生物(光)と危険な生物(影)とに分けてご紹介しています。
 人類は、厳しい環境とも折り合いをつけ、アマゾンに抱かれた国、ブラジルは世界有数の経済規模をもつまでに発展しています。
 この特別展で、アマゾンの多様な生き物の世界を、近代のブラジルの姿や人々の暮らしとともにお楽しみいただければ幸いです。

■アマゾンの“光”
 アマゾンの豊かな生態系が育んだ芸術とも言える動物たち。美しく、力強く、そして時にかわいらしく、彼らの放つ“光”は、私たちを惹きつけてやみません。美しさや力強さには、その形態が進化してきた理由があります。
例えば・・・
 ★特徴のある色彩や模様で、同種を見分けるため(オオハシ、コンゴウインコ、マーモセットなど)
 ★毒を持つなど有害なことをアピールするため(ヤドクガエル、サンゴヘビなど)
      ⇒オスにもメスにも、同じような特徴が見られます
 ★美しさや力強さで、繁殖の機会を増やすため(オオカブトムシ、マイコドリなど)
      ⇒片方の性に、特徴的な形態が見られます
アマゾンに暮らす動物たちの美しさや力強さは、厳しい生存競争の中で、進化が生み出した産物なのです。
◆美しい熱帯魚水槽(生体)
エンゼルフィッシュ、ネオンテトラなど私たちがよく目にする熱帯魚の多くはアマゾン流域が原産です。この水槽では、水草が茂った美しい水槽に泳ぐアマゾン出身の熱帯魚たちを紹介します。
◆モルフォチョウ(展翅標本)
アマゾンでは、世界で最も美しいと言われるチョウに出会うことができます。メタリックな青色に輝くモルフォチョウの翅は見る角度によっても輝きが違います。名和昆虫博物館の協力により、3種のモルフォチョウ、ミイロタテハの仲間、スカシジャノメの仲間の展翅標本を展示しています。
◆ヘラクレスの森(生体)※夏季のみ
世界最大のカブトムシ「ヘラクレスオオカブトムシ」を、ガラスも柵もないところで、まるで森の中で出会うかのように見ることができます。同じく南米に生息するマルスゾウカブトムシ、サタンオオカブトムシと、比較のために東南アジアに生息するコーカサスオオカブトムシ、アトラスオオカブトムシも展示しています。

■アマゾンの“影”
 “影”とは人にとって暗く見えにくく、恐怖や死をイメージさせるものです。 どんな生物であれ自らの生存のために進化してきたのであり、“影”と呼ぶべきではないかもしれません。しかし“ヒト”という生物の立場に立った時、アマゾンには危険な恐るべき生物がいることは確かです。
 デンキウナギが発する800Vもの電圧は人の命をも奪いかねません。全長5mにもなるピラルクの尾に打たれればひとたまりもありませんし、猛毒をもつ淡水エイも生息しています。
 ピラニアやカンディルは人と他の動物を区別することなく獲物として襲いかかります。現在社会に暮らす私たちが忘れてしまいがちな「人間も生態系の一員である」ことを彼らの存在は教えてくれます。
◆ブラックピラニア(生体)
アマゾン流域に生息するピラニアの中で、最も獰猛で最大のピラニアです。大きなものは50cmにもなります。魚網を引き上げるとき、網に絡んだブラックピラニアに指を噛み切られる漁師もいるほどです。
◆ブルーカンディル(生体)
ナマズの仲間で、大挙して人を襲うこともあります。時には腹壁を回転しながら食い破り体内に進入後、魚体は死亡し腐敗。そのため腹膜炎などで死亡することもあるります。仲間に尿道や陰部から進入する小型のタイプもいます。
◆チスイコウモリ(骨格標本)
チスイコウモリの主食は動物の血液です。深夜、獲物となる家畜などの近くに着地し、地面の上を跳びはねて近づき、皮膚を傷つけて滲み出してきた血液をなめます。 吸血鬼のイメージがつきまとい、恐れられる存在ですが、群れの仲間には協力的で、血にありつけなかった群れのメンバーに飲んできた血を分け与える行動が知られています。

■特徴的な生物たち
◆フタユビナマケモノ(生体)
サルの仲間ではなく、アリクイなどに近い仲間。「フタユビ」の名のとおり前肢の指は2本で長い爪をもちます。後肢の指は3本。樹上で生活し、約1週間に一度、幹をつたって地上に下り排泄します。地上を歩くことは不得意ですが泳ぎは得意で、長い前足で水をかいて泳ぎます。
◆ベルツノガエル(生体)
アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル南東部等に生息します。口が大きく鋭い歯がはえ、顎の力が強いです。目の前で動くもの何にでも飛びついて食べようとする習性があり、指を噛まれて大ケガになることもあります。
◆マタマタ(生体)
ベネズエラ、コロンビア、ブラジルなどの南米大陸の中部より北側に生息します。甲長45cmほどになります。落ち葉に似た外観で、甲羅に頭を入れることはできません。水中で待ち伏せをし、魚などを水ごと吸い込んで食べます。

■南米のUMA(未確認動物)
 1999年~2009年に、アマゾンの熱帯雨林で1200種もの新種が発見された、という驚くべき調査結果が2010年のCOP10で発表されました。今や地球上のいたるところに人は進出していますが、未だに未知の生物や未解明の現象が報告されています。
 UMA(未確認動物)たちは、恐ろしい牙や爪、時には超常的な能力を持つと言われています。UMAたちの姿は、誰もが心の底に抱く、未開の地や自然への畏れ-かつて人が脅かされた捕食動物や、なすすべない自然現象を表したものではないでしょうか。
◆巨大アナコンダの断面ゲート(模型)
アマゾンにはアナコンダという巨大なヘビが生息します。全長10mを超える大物の報告もありますが、現地では40mを超える目撃談も少なくありません。この模型は「まさか」の40mのアナコンダがモデルです。
◆チュパカブラ(模型)
チュパカブラはスペイン語で「ヤギの血を吸うもの」という意味。家畜を襲い生き血を吸います。目は赤く輝き、背中には鋭い突起、舌は槍のように鋭く家畜の皮膚を貫きます。本当に存在するのでしょうか!?
サルの博物館「日本モンキーセンター」の園長、加藤が、その存在を否定せず、少しだけ科学的考証を交えて「存在するのであればこんな姿」を再現したのが、この模型です。

■南米のサルの多様性
アマゾン一帯を中心に、中南米に生息する真猿類のサルたちを、広鼻猿または新世界ザルと呼びます。広鼻猿の祖先はおそらく1種類で、南アメリカ大陸がアフリカ大陸と離ればなれになった後に、海を越えて渡ってきたと考えられていますが、その起源はよくわかっていません。
   真猿類で最も小さく、体重100グラム程度のピグミーマーモセット、尾紋をもち、尾を第5の手として使いこなすクモザルの仲間など、およそ100種類のユニークなサルたちに分化しています。
 伝統的に、体の小さいマーモセットとタマリンを含むマーモセット科と、それ以外のサルたちのオマキザル科との2つのグループに分けられてきましたが、近年研究が進んで分類が見直されています。

■民俗資料
 生物以外にも、アマゾン流域の民俗資料やブラジルの物産を展示しています。また見るだけでなく味わっていただけるよう、ビジターセンターのインフォメーションでトロピカルフルーツジュースを販売しています。
◆アマゾン流域の民俗資料(協力:野外民族博物館リトルワールド)
鳥や動物を捕獲するための弓矢や棍棒、魚をとるためのやなやカヌー(模型)などを展示しています。また装飾具には動物由来の材料が多く使われており、ペッカリーの歯を連ねた首飾りや、コンゴウインコなど美しい鳥の羽毛を使った髪飾りなども展示しています。
◆ブラジルの物産(協力:株式会社イマイ、SelectMarket)
現代のブラジルで食べられている食品を中心に実物を展示。豆料理のフェジョン、キャッサバ粉に味付けをしたファロファ、菓子類など、日本では見られない食品も多いです。

※以上でご紹介したのは展示のほんの一部です。
※動物の体調等により展示を変更する場合があります。ご了承ください。
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※日本の動物園等で飼育されている霊長類の種数は102種類です。(2015年3月31日時点、GAIN調べ。種間雑種その他の分類不明なものは除く。)

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業種:展示 動尾第510号 業種:貸出し 動尾第509号 登録:平成19年5月31日 有効:令和9年5月30日 取扱責任者:綿貫宏史朗