キツネザル担当:田中
6月13日に生まれたエリマキキツネザルの赤ちゃんですが、残念ながら本日お亡くなりになりました。
死因は肺炎でした。
母親のクミンの手厚い保護により、スタッフの前にはほとんど姿を見せませんでした。
私がちゃんと見られた姿といえば、観察用に使ったビデオ。
クミンがごはんを食べている間、じーっと座ってお留守番をしているところ、
クミンがごはんから戻ってきたら、わーい!かあちゃん!といっているかのように、抱きついて喜んでいるところでした。
最近になって、ちょこちょこと動き出し、
クミンのお腹の下から顔をのぞかせたり、
クミンに見守られながら、ふらふらと丸太を渡っていたり、と
ビデオではなく、直接見られるようになったのです。
じっくりとは見られないもどかしさとともに、ひとつひとつの成長が本当に楽しみで、嬉しかったです。
でも結局、来園された方にはそんな成長した姿を見てもらうことなく、旅立ってしまいました。
細かいところまで観察できなかった悔しさと、
ようやく近くで姿を見られた現実感と安堵、
いなくなってしまった悲しさが入り混じります。
動物園ではいろんな生きるカタチ、
旅立つ姿を見てきました。
もちろん、これからも続くでしょう。
エリマキキツネザルの赤ちゃんの生命は
私にも大切な経験をくれましたが、
何よりもクミンに与えた影響は大きかったと思います。
子を守る母から、子を見守る母の姿にかわったときが、私の中では本当に印象深かったのです。
赤ちゃんのこれ以上の成長をみることはできませんが、
クミンや他のみんなと前を向いて、進もうと思います。
ありがとう、『ミント』!