ヒヒの城担当:荒木
ちょっとこのあたりで休憩で別群を紹介します!ヒヒの城に主群(展示している群れ)と別群(展示していない群れ)がいます。
別群の中のヒヒたちは様々な理由で主群で生活できなかったり、現在、主群に馴染むためのトレーニングをしていたりしている個体の群れです。
ヒヒの城は放飼場が一つしかありませんので、頭数の兼ね合いなどもあり、開園時間中は主群が放飼場を使っていため、別群は一日のほとんどを室内の部屋にいます。
少しでも別群の環境を改善できればと思い、開園前や閉園日は短い時間ですが主群がいない放飼場に出し、のびのびと運動ができるように取り組んでいます。
普段は目にする機会が少ないので、今まで飼育の部屋に載せることは少なかったですが、全個体紹介ということで、今回は別群の個体を紹介します!
ナポロ
おじいちゃんではなく、おじちゃんくらい。よぼよぼではないですよ!
別群歴は長く、太ももの骨を骨折する大けがをしていました。
またホルモンの異常で毛がほとんど抜け、食べても食べても太らない体質でした。
薬のおかげで毛が少しづつ生え、筋肉も少し増えました。
しかし、華奢な体格で主群の過酷な競争の中では暮らせない可能性が高いので、別群にいます。
性格はしつこい!あとかなりの偏食で、ペレットは食べない!という固い意志を持ってます。
ヘイタ
もともと主群で暮らしていたんですが、歩行にふらつきがあったため検査。原因は特定できませんでした。
高齢で瘦せていたこともあり、主群での生活は厳しいそうと判断し、別群で隠居生活しています。
でも気の強さややる気は主群時代から衰え知らずです。
よくナポロと小競り合いしています。
ナイツ
ナイツも元々は主群で暮らしていましたが、耳の病気が視神経にも影響を与え、視力が低下し、現在はぼんやり見えている程度の視力しかありません。
リハビリや物怖じしない性格のおかげか、視力が悪いなりに別群で生活でき、放飼場のつくりも理解したのか自由に動くことができます。あとナポロやヘイタよりも若くて体も大きいので、別群の中で第1位です。
ソチ
かなり昔に紹介したことがあるんですが、覚えている人いるでしょうか?
母親が生まれたばかりのソチを攻撃していたため、人工哺育(飼育員が母親の代わりに世話をすること)になったヒヒです。
2014年1月生まれで、その時にちょうど開催されていたソチオリンピックから名前をつけました。
もうすぐ5歳になるやんちゃな♂でナポロやヘイタにちょっかいをかけ、ナイツのご飯をこそっと盗みます。
別群の中で社会性学び、ゆくゆくは主群に合流するためにトレーニング中です。
しかし、主群の若♂たちが荒れ放題で頭を抱えています。
暖かくなる春ごろには合流できるよう頑張ります!
スリタニ
ソチと同じですが母親が生まれたばかりの時に攻撃していたため、人工哺育(飼育員が母親の代わりに世話をすること)になったヒヒです。
その時のケガで右手の指5本なくし、肘も骨折していました。
リハビリや成長のおかげもあり、後遺症が心配された肘の骨折は見事治り、今では正常に動かせます。また失った右手の5本指の代わりに手のひら部分を器用に使うことを覚え、多少の使いにくさはあるものの生活できるようになりました。ちなみにグルーミングもできます!
ソチとおなじようにゆくゆくは主群に合流させたいと思い、別群の中で社会性を学んでいます。
ソチと同い年で、スリタニは5月生まれです。小さい頃からソチと一緒にくらしてきたので、ケンカもしますが本当の兄妹のようです。
こちらも春ごろに主群に戻れるよう、頑張ります!
ロコ
ロコは健康上特に問題はありません。
ロコは子育てのスペシャリストなので、ソチとスリタニの教育係として別群で生活してもらっています。
おかげで、2頭とも社会性や挨拶、グルーミングなどヒヒたちのコミュニケーションが身につきました。
2頭が合流するときに一緒に合流します!
ちなみに「ロミオ」、「ロン」、「ロイド」、「ロマノ」など名だたる♂の母親で、見事育てた実績があります!
タマリ
ロコと同じように健康上特に問題はありませんが、ソチとスリタニの教育係として、別群で生活してもらってます。
ヒヒたちの群れは本来複数の♂♀からなる群れなります。ロコには母、タマリにはお姉さん的な約割を担ってもらっています。
最近はソチやスリタニの体が大きくなり、押され気味になることも。
気づきました?「タルト顔」ですよ!
今回は目にする機会の少ない7頭でしたが、ぜひ顔と名前を憶えてください!
あと29頭!