アジア館担当: 舟橋
一昨日、アカゲザルのローレライが、多臓器不全で亡くなりました。
ローレライは、1991年3月19日にモンキーセンターに来園しました。推定30歳の高齢個体で、少なくとも私より歳上でした。
いまモンキーセンターで暮らしている3頭の娘たち全ての母親で、私がアジア館の担当になった2年前は、
『ローレライが怒ると、アカゲザル全員が怒りだすし、やがてアジア館全体が荒れる』
と言っても過言ではないくらいに、娘たちの信頼も厚く、アジア館担当者にとっても鍵のような存在でした。
いまでこそアジア館には、チベットモンキーやボンネットモンキー、カニクイザルのように、少しずつ少しずつ知られているサルも増えてきていますが、
2年前のアジア館は、飼育の部屋の投稿件数も全ての施設の中で最も少なく、色味も地味だし、チベットモンキーでさえ個体を知らないスタッフがいたほどでした。
そうゆう状況の中、(アジア館にも注目してもらいたい)とブログの更新頻度を出来るだけ多くし、注目を集めたのが『ザルバ』
そして
『ローレライ』でした。
ご存知と思いますが、ローレライは、サルを見慣れていない方でも見分けられるような、顔全体に皺の入った『いかにもおばあちゃん』って感じの顔をした特徴的な個体でした。
私の力不足で、Twitterではあまり話題にしてあげられませんでしたが、飼育の部屋や、常連さん中では知らない人はいないような個体で
「怒ってる顔が怖い」ってことで、何度か話題にさせていただきましたが、
実際は自ら飼育員や他のサルに対して進んで『怒る』と言うよりも、むしろ血気盛んな娘たちが声を荒げたときに『娘たちを守ろうとする』の方が近かったかもしれません。
ローレライは、顔だけじゃなく、高齢個体特有のゆったりとした時間の流れからも、ファンが少なからずいて、
アジア館の個体では珍しく、名指しで様々な果物を寄附としていただくこともありました。
倒れる数日前にも、寄附でいただいた果物を口いっぱいに頬張ったりと、特に食欲も落ちてなかったんですが、6/11の朝ごはんの直前に入院し
入院してから一度だけ目を覚ましてくれましたが、6/12の夕方17時前に眠るように亡くなりました。
「もしかして、もっと良く観察してれば…」と思う気持ちも少なくありません。
アジア館でも一際大きな存在を持っていた個体なだけに、とても寂しいです。
いままで、アジア館、そしてモンキーセンターを盛り上げてくれてありがとう。
大好きでした。