ヒヒの城担当:荒木
とても残念なお知らせです。
本日アヌビスヒヒのコマチが死亡しました。
以前の記事でご紹介した「ヒヒたち全頭の幸せのために群れ調整をする」を4月より進めていました。
ロコ、タマリ、ソチ、スリタニは現在群れに合流させ、まだ完全には馴染んでいませんが、なんとか群れで暮らせるまでになりました。
とくにスリタニは合流直後から群れの個体に追われることが多く、他の3頭に比べ、馴染むのにかなりの時間が必要でした。
7月に入り、徐々に馴染んでいく様子が確認できたので、BYでひとりぼっちでくらしている「コマチ」の移動に取り掛かりました。
コマチの目はほとんど見えておらず、また人工哺育(人が親がわりになって哺乳する)というかなり変わった経歴の持ち主なので、ヒヒの城で暮らしていけるか、他の個体と仲良くできるか、とても不安でしたが、BYよりも飼育環境は良くなり、ひとりぼっちも解消できるはずと考えた結果、ヒヒの城への移動を決断しました。
そして昨日、ヒヒの城へ移動するために繁殖制限の処置、目の検査を終えヒヒの城へ移動してきました。
夕方はよく晩御飯もたべ、明日から今後くらしていく部屋に慣れるためのトレーニングを開始しようと思った矢先、本日の朝死亡しているのを発見しました。
死因は呼吸器疾患でした。
昨日の移動が体の負担になって呼吸器疾患を引き起こしたのではないか、昨日の検査時にもっと注意して観察していたら、疾患も発見できたのではないか、そもそもコマチはヒヒの城へ移動することが幸せなのかなど後悔と疑問がぐるぐる回りました。
コマチとともに頑張って、ひとりぼっちを解消させてあげたかったですし、もっと広いところで活き活きと動いて欲しかったんですが、それらは叶えることができずとても残念です。
<元気だったころのコマチ>
なにが正解だったのか、今すぐ答えは出せませんが今後も残ったヒヒたちや他のサル、動物たちに幸せを考え、日々努力していきます。
最後になりましたが、コマチふくめヒヒたちの群れ合流を応援していただいておりました皆様、とても残念な報告になってしまい、申し訳ございません。今後も応援をして頂ければ大変嬉しいです。