北園担当:荒木
8月はパタスモンキー推しということで、いつもはヒヒしか推していない荒木もパタスモンキーを推します!
でも今回は私が研究した話なのでちょっと真面目です。
まずパタスモンキー
冬に撮影したアトラスです。
眠そうな顔は置いておき、パタスモンキーはすらっと長い手足と赤茶の毛、口元のヒゲ、オスの陰嚢は青色など特徴はたくさんありますが、
やっぱり一番の特徴は「最高時速55㎞」で走れる「世界最速のサル」ではないでしょうか。
あのウサイン・ボルトより速く走れるんですよ!言い換えると「霊長類最速」といってもいいと思ってます。(荒木談)
この素晴らしい特徴をもつパタスモンキーですが、国内で飼育している動物園はモンキーセンターをいれて7園、30頭ほどしか飼育されていないって知っていますか?
そして7園のうち、繁殖をしないように処置しているところがほとんどなんです。
簡単にいうと国内の飼育頭数が少ないのに繁殖を止めてしまっているということになります。
モンキーセンターでもアトラス♂(23歳)、ピノコ♀(15歳)、キノコ♀(12歳)、ウル♀(7歳)、マイタケ♀(4歳)の5頭を1部屋で
もう1部屋にタイタン♂(6歳)、ヘリオス♂(5歳)、シグマ♂(3歳)の3頭でくらしていますが、メス全頭に繁殖しないように処置しています。
繁殖を止めている1つの理由は飼育のスペースの確保が難しいからです。
この問題はパタスモンキーを飼育しているほかの動物園も同じです。
じゃあ、単純に飼育のスペースが増えれば繁殖させるのかというと、これもそんな簡単な問題ではなく
一部の血統が多すぎると、その他の血統を増やす機会や飼育のスペースを奪ってしまう場合もあります。
そんなことを考えないといけないですし、ほかの施設の飼育個体の情報や国内での移動、繁殖の計画などが必要不可欠です。
そこで私は国内のパタスモンキーの血統や年齢などを調査する研究をおこない、国内飼育個体のリストをつくり各飼育施設にフィードバックをおこないました。
このリストでほかの施設で飼育されている個体の血統や由来、年齢などがわかり今後の繁殖や移動計画に役立ててもらうことが目的です。
昨年から約1年かけ、各施設をまわり、実際の飼育している現場や個体など見学させて頂き、リスト作成し、完成したリストを各施設に送りました。
残念ながらここにリストを載せることはできませんが、色々な施設で見学させてもらい、各施設のパタスモンキーの担当者の方とお知り合いになれたことはかなりの収穫だったと思います。
今回の私の研究ではパタスモンキーだけでしたが、国内ではもっと飼育頭数が少ない種も実際にいます。
頭数が少なくなりすぎると、頭数を維持できなくなり、将来動物園からその動物が見れなくなってしまいます。
パタスモンキーがそのようにならないように各施設で力を合わせていきたいと思います。