マンドリルの頬の骨

アフリカセンター&マダガスカル担当:廣澤

 

マンドリルのキンシャサ♂13歳です。

キンシャサは、彫深めな顔だちをしています。

 

 

それはもう、

彼の瞳をのぞき込むのは至難のワザです。

目が落ち窪んでるというよりは、目の上と下がもりもりと盛り上がっている。

 

額が出っ張ってるサルは、強面な印象があります。マーニとか。

 

けれどもキンシャサには、そんなに恐さを感じません。目が見えないので、目ヂカラを感じないのか?

よくみると、ハの字型の額なので、いつも困った表情にみえるからか?

 

キンシャサの目を隠しているもうひとつの出っ張り、水色の頬。

 

この頬、子どもの頃は盛り上がっておりません。

2歳のイラーリ♀がこんな。生まれたときは顔の色がしろかったですが、頬のシワシワはそのころからありましたね。

 

成長とともに、3-4歳ごろから頬が青くなってきて、5-6歳ごろから盛り上がってきたように思います。

 

こちらは8歳のころのニースケ ♂。

1-2cmは盛り上がってるかな。

 

 

13歳のキンシャサ♂

かなり盛りがっております!

 

青い頬はどんな触り心地?ってよく聞かれます。

わりとザラザラ。

 

何が盛り上がってるの?肉?と聞かれることもたまにあります。

実は成長とともに、骨が盛りあがってくるんです。特にオス!

 

ちょうど今!モンキーセンターでは骨展やってるので、マンドリルの骨見てきました。

 

こちらです↓↓

(苦手な方はスルーしてください)

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じゃん!!

(こちらの骨格標本は、13歳で死亡したオス個体のものです。)

頬の部分がもりもりしてますね〜。

見た目、軽石のような感じで、頭など他の骨よりも密度が低くめです。

盛り上がってますね。

そして、犬歯が太くて立派です。

 

おとなになったオス同士は、この犬歯で闘うことがあります。

盛り上がった頬の骨は、相手の犬歯から顔を守るプロテクターの役割があるのだと思います。

 

骨展では、マンドリルの隣にアヌビスヒヒの標本があります。だいたい同じくらいの体のサイズですが、頬の骨を比較するとマンドリルの頬骨の特徴がよ〜くわかります。ぜひ比べて見てください。

 

骨展っていってますが、正式には「骨から読み解く霊長類のくらしと進化 -霊長類骨格博物館-」です。

お待ちしてます!