フジコとどんぐり

アフリカセンター担当:廣澤

ある日のチンパンジーのおやつ。
ペットボトルに柿やリンゴ、レーズン、どんぐり、蜂蜜などなどを入れて、
もちろん緑のキャップもしめて。

キャップを器用にまわして外すチンパンジーもいれば、歯を栓抜き代わりにして外すチンパンジーも。不器用なチンパンジーは、透明のボトル部分に犬歯を突き刺して、べりべりとやぶく力技を使います。

フジコさんは、栓抜きタイプ。
おいしいものが詰め込まれたボトルを振ったり、指を入れて中身を掻きだしたり。
ぎゅうぎゅうに詰まっているので、なかなか出てきません。
出てくるのは、小さなどんぐりばかり。
足もとにたくさん転がっていますが、あまり気に留めません。
(柿を食べたいんでしょうね~)

ふいに、地面に落としまくっていたどんぐりを口にし始めました。
柿はあきらめて、渋々どんぐりを食べるのか!?

いえいえ、違いました。
どんぐりを口に入れては出し、入れては出し。

これは、どんぐりについた蜂蜜だけなめとっているんですね~!
目ざといフジコさん。そして、キャップの裏についた蜂蜜に気づいて舐めるとは!!分かってらっしゃる。

それにしても、チンパンジーのくちびるは、私たちの手のように器用です。
小さな豆をつまんだりといった繊細な動きは、チンパンジーは手よりもくちびるのほうが得意だったりします。器用さはゾウの鼻先に似てますね。

このくちびる、びろーんと広げて、お皿替わりにもなっちゃいます。
けっこう伸びます。
ペットボトルを振って、出てきたフルーツをキャッチします。

なかなか柿が出てこないので、ボトルを咬み始めるフジコさん。
残念ながら、48才のフジコさんの歯は、もう鋭さにかけるので、ボトルを破くことはなかなかかなわず。ボトルが潰れていく一方です。
ボトルが潰れると、中身を取りだすのが、さらに難しくなっちゃうんですが・・・。
長い時間をかけて、おやつを楽しんでいただけたんじゃないかと思います。