北園担当:石田
前回からまた時間が空いてしましました。
ポンコツです。ごめんなさい。
引き続きフクロテナガザルのあれそれを紹介します。
※前回の記事はこちら
まずは、フクロテナガザル最大の特徴といっても過言ではない
「のど袋」について。
![](http://www.j-monkey.jp/jmckeeper/wp-content/uploads/2020/02/DF12E9E7-F82D-4B4C-AAEB-4B80773CA7D3-800x600.jpeg)
なぜのどにこんな袋がついているかというと
”でかい声を出すため”です
じゃあ、なんででかい声を出す必要があるのかというと、それはテナガザル全般に共通する「歌をうたう」という行動に関係しています。
テナガザルの仲間は全種が独特の鳴き声を持っています。それがなぜ「歌」と呼ばれるかというと、単純に大きな声でギャーギャー鳴くのではなく、いくつもの複雑な音声パターンの組み合わせから構成されているので「歌」と呼ばれています。(説明が下手ですいません・・・)
テナガザルの仲間はそれぞれが異なった歌をうたい、種によってはオスとメスで音程やタイミングのパート分けがあり、お互いの歌声を組み合わせた「デュエット」をおこないます。
これらの歌には縄張りの主張や、家族の絆を確かめ合うような意味があると言われています。
![](http://www.j-monkey.jp/jmckeeper/wp-content/uploads/2020/02/44165DB8-B5B2-4337-B1EE-805E0F3F1D34-800x600.jpeg)
前置きが長くなりましたが、ともかく!歌をうたうテナガザルたちの中で、ひと際歌声が大きいのがフクロテナガザルで、歌声が大きい理由はのど袋があるからなんです!!
のど袋は顔と同じぐらい大きく膨らませることができ、膨らませることで声を振動させて響かせたり、空気を貯めこむことで、より長い時間歌う事ができる、などの役割があります。
テナガザルの歌には、ヒトの歌でいう「Aメロ」や「Bメロ」の【通常パート】と、「サビ」にあたる【グレートコール(♀)、メイルコーダ(♂)】があります。
頑張って文章で説明すると
【通常パート】 ※Aメロ的な
メス:「ウーッ、ウーッ、ウーッ(のどを鳴らす感じ)」、「ホホホホッ、ホーッ!ホホホホッ!」
オス: 「ウーッ、ウーッ、ウーッ(のどを鳴らす感じ)」、「ホホホホッ、ホーッ!ホホホホッ!」
って感じ。ここはあまり雌雄差はなく、タイミングを合わせるように、いろんなタイミングで不規則に歌います。
【グレートコール(♀)、メイルコーダ(♂)】 ※サビ的な
メス:「アッ! アッ! アッ! アッ! アッ! アッ! アッ! アッ!」
オス:「・・・・・・・・・・・・・・・・ウワァァァァアアアッッホオウウゥゥ!!!!!!」
って感じです。メスがリズムをとって、オスが途中で合いの手を挟む感じですね。
・・・わかってましたよ。文章で伝えられないことは。
気になる方は是非、実際に聞きに来てください。
ちなみに、子どもたちは親の歌声を聞きながら練習して、上手に歌えるようになっていきます。なので、挿入している録音ではまだ下手な子どもたちが、よくわかんないタイミングで歌ったりしています。
コメントで「至近距離で歌声を聞いてみたい」ってのがありました。
フクロテナガザルたちの歌声は数キロ先まで届くといわれております。
なので、至近距離で聞くと
耳がイカれます
やめたほうが良いです。
飼育作業中に密室空間で歌われたらたまったもんじゃないです。
なので、フクロテナガザルの飼育施設には耳栓が完備してあります。
![](http://www.j-monkey.jp/jmckeeper/wp-content/uploads/2020/02/ECDEF145-C91C-4549-91A7-1AFF056636DC-800x601.jpeg)
別のコメントで、「のど袋の手触りってどんな感じなんだろ?」と質問がありました。
実際に触ったことがある数少ない人間であろう私が、完全に主観で例えると
男の「き〇たま」です
いや、ふざけてるわけじゃなくて、わりと本気で。他に例えが思いつきません。
皮のたるみ具合とか、厚さとか、柔らかさとか
あれの中身がない状態って感じです。
気になる方、男性は自分で。
女性の方は、触らせてくれる人に頼んでください。
※個人差がありますので人によっては「のど袋」じゃないかもしれません。
長くなってしまいましたが、フクロテナガザルの大きな特徴である「のど袋」についてはこんな感じです!
最後にもうひとつ。知っているとちょっとフクロテナガザル通になれる?豆知識をご紹介します。
どの動植物にも「学名」があります。
これがその動植物の世界共通の名称となり、ラテン語で表記されています。
フクロテナガザルの学名は
「Symphalangus syndactylus」です。
後半(種小名)の syndactylus は「指が繋がっている」という意味で、後肢の人差し指と中指が皮膚でつながっていることに由来しています。
画像のように人差し指と中指が第2関節のあたりまで繋がっています。
・・・で?って話なんですけどね。
なんでこうなっているのか、何の役に立つのかは私も知りません。
豆知識でした。
ということで、フクロテナガザルについてに説明はこんな感じで終わりたいと思います。
長ったらしい、マニアックな記事にお付き合いいただきありがとうございました。
次回からはモンキーセンターで暮らしている個体について掃海したいと思います!
今月中に終わるのか・・・