飼育の部屋


南米館中型舎 シロガオサキ とても愛想良しのかわいいコです。
最近なぜかマイブームに…!?


南米館ホール ピグミーマーモセット 昨年9月の双子コンビ。
好奇心旺盛で何でも気になるお年頃です。ね?


★☆★コメント★☆★

南米館担当  名畑より 
             おりふしの風景−蝉声の季節に−
 「いづことなくしいいと蝉のなきたり」−長かった梅雨もようやく明ける気配が見えてきました。刈り払っても刈り払っても瞬く間に伸びる夏草に、暑い空気を震わせる滴るような蝉声に、限りない生命力を感じる季節で御座います。とはいえ今年の雨による災害では、国内外でたくさんの方が被害に遭われ連日のニュースに心が震える思いを致しました。//「遠くのできごとに ひとはやさしい (おれはそのことを知っている 吹いていった風) 近くのできごとに ひとはだまりこむ (おれはそのことを知っている 吹いていった風)」 石川逸子の「風」という詩があります。風のように優しく淡々と詠われていますが、内容はとても痛烈なものを含んでいます。「遠くのできごとに 人はうつくしく怒る (おれはそのわけをしっている 吹いていった風) 近くのできごとに人は新聞紙と同じ声をあげる…」 //災害や事故、戦争や飢饉などのニュースを見て、 アア かわいそうだ。と思い、どうなっているんだと怒りの声を上げます。駅で行われている募金活動の箱の中にコインを入れ、何かとても良いことをしたような気分になります。が、もし私の目の前に窮地に陥っている人が居たら、私はすぐに動くことができるでしょうか。//遠くのいわば自分の無関係のことには優しさを溢れさせることができても、身近なところで何かあれば、やはり、変な巻き込まれかたはしたくないと考えてしまいます。いかに自分と自分の周りは見えないかということを実感いたしました。//「遠くのできごとに 立ち向うのは遠くの人で 近くのできごとに 立ち向かうのは近くの私たち…」この詩の後半は、そういうものであってはならないと結ばれています。//テレビ画面の中で先週、土砂災害に遭われ家や家族を喪われた方が、「私たちが、地域で団結してがんばるしかない」と語っておられた決意に満ちた声と顔が、窓の外から聞こえる蝉の声に重なって本当に印象的でした。被災された方のお気持ちは、私にはとても推し量ることすらできませんが、一日も早く蝉声が満ち、夏草が輝く日々が戻りますよう心からお祈り申し上げます。

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