■第31回日本霊長類学会大会 自由集会6「野生への窓を開く動物園教育」
7/18(土)~20(月・祝)に京都大学にて開催される「第31回日本霊長類学会大会」にて、動物園教育について考える自由集会を開催することになりました!
自由集会は7/18(土)の午後に開催され、参加費も参加申込も必要ありません。学会員でなくても、どなたでも参加できます。霊長類研究者、動物園関係者、動物園利用者、学生など、さまざまな立場からのご参加をお待ちしています!
第31回日本霊長類学会大会 自由集会6 (CW2)
「野生への窓を開く動物園教育」
How can zoo open the door to the wild?
開催日時:2015年7月18日(土)15:45~18:15
会場:京都大学 百周年時計台記念館 ホールC (国際交流ホールIII) 京都市左京区吉田本町
日本人は動物園が大好きだ。毎年,日本人口の半分以上にあたる延べ7千万人以上の人々が動物園や水族館を訪れている。これだけ多くの人々が集まる動物園は,野生動物を取り巻く現状について伝えるには格好の場所だ。しかし,動物園の人工的な環境で暮らす動物から学べることは,“何もしなければ”ごく限られたものになってしまう。サル山のサルを見て,形態や個体間関係を観察することはできるが,野生で何を食べ,どのようにくらし,複雑な生態系の中でどのような役割を担っているのかを学ぶことはできない。
そこで今回の自由集会では,「野生への窓」としての動物園教育について議論を深めたい。動物園が提供可能な教育テーマは情操教育,理科教育,芸術,文化など多岐にわたるが,目の前に“ないもの”を伝えるという意味で,動物園で野生を伝えることは,とても難しい。これは,企画者自身が動物園教育の現場にいて強く感じることだ。野生の姿をどのように伝えるかという「手法」の面と,教育活動のゴールをどこに設定するかという「ねらい」の面に注目して,議論を深めたい。
具体的には,継続的に毎年2名の職員がアフリカ・タンザニアでの研修をおこなっている京都市動物園と,2014年度より幸島,屋久島,タンザニア等への研修をはじめた日本モンキーセンターから,まずは事例紹介をおこなう。動物園職員にとっては貴重な研修の機会となるが,それを動物園教育にどのように活かせるか,参加者とともに議論したい。また,生態的展示を通して野生の姿を伝えようとする天王寺動物園の取り組みや,遠く海外だけではなく身近な環境にも目を向ける京都市動物園の取り組みを紹介いただき,議論を深めたい。
「霊長類の保全」を目的の一つに掲げる日本霊長類学会において,霊長類研究者や動物園関係者,学生や市民を交えて議論することで,動物園教育の新たな可能性が開けると期待している。
■予定プログラム■
企画趣旨説明
赤見理恵(公益財団法人日本モンキーセンター)
事例紹介①:京都市動物園の継続的なタンザニア研修とその展開
田中正之(京都市動物園 生き物・学び・研究センター)
事例紹介②:日本モンキーセンターの生息地研修とその展開
高野智(公益財団法人日本モンキーセンター)
事例紹介③:天王寺動物園の取り組み~都会の真ん中で何を伝えるか~
牧慎一郎(大阪市天王寺動物園)
事例紹介④:身近な環境にも目を向ける京都市動物園の取り組み
和田晴太郎(京都市動物園 生き物・学び・研究センター)
ディスカッション(自由集会参加者からも事例があればご紹介ください)
指定討論者:佐渡友陽一(帝京科学大学)
企画責任者:赤見理恵,高野智(公益財団法人日本モンキーセンター),
田中正之(京都市動物園 生き物・学び・研究センター)
連絡先:〒484-0081 愛知県犬山市犬山官林26 公益財団法人日本モンキーセンター
赤見理恵 電話:0568-61-2327, E-mail:rie.akami[アットマーク]j-monkey.jp
第31回日本霊長類学会大会については、以下より大会サイトをご覧ください。