第47回プリマーテス研究会

テーマ:「“進化”を考える」

日程:2002年12月14日(土)〜15日(日)
場所:(財)日本モンキーセンター・ビジターセンター
(地図)
[概要]
生き物を考える上で、進化という考え方は欠かせないものです。いま国際的 に叫ばれている生物の多様性というものも、そもそも進化の結果できてきたものなのです。 しかし、学校の理科の教科書からは進化という考え方は絶滅しつつあり、 一方で「ファッションの進化」、「ポケモンの進化」などといったところで安易に、 そして不適切に、進化という言葉が使われるという現実も否めません。このような中で、 今回のプリマーテス研究会では、進化をテーマにしてさまざまな角度からお話 を頂きました。


プログラム

2002年12月14日(土)

13:30〜13:50 開会の辞

第1セッション「理科教育での進化」
教育の現場や教科書を作る側、そして理科教育の専門家という立場、子供たちに「進化」について教えるということ、教科書から「進化」が消えてしまうこと、などについてお話いただきました。

  • 13:50〜14:40
    生源寺孝浩(岐阜市立常磐小学校)
    「小学校で進化をどう扱っているか。私の場合。― 小学校6年生理科『人間のからだ』の学習を中心にして」 発表要旨

  • 14:40〜15:30
    茂呂文彦(日本出版労働組合連合)
    「教科書の作成過程と学習指導要領の変遷 ― 望ましい教科書づくりに向けて」 発表要旨

  • 15:45〜16:35
    丹沢哲郎(静岡大学教育学部)
    「進化をなぜ学校理科で教えなければならないのか? ― アメリカにおける進化教育の歴史と現状から学ぶこと」 発表要旨

  • 16:35〜16:55
    コメント:馬場悠男(国立科学博物館)

17:00〜19:00 懇親会(於ビジターセンター)
*懇親会終了後、名鉄犬山駅までの交通は用意いたします。

2002年12月15日(日)

第2セッション「自然観と進化理論」
進化論は自然に関する理論であり、人々の自然観と切り離せるものではありません。ここでは、キリスト教の自然観やダーウィン進化論の総合説を分かりやすく解説していただきました。

  • 10:00〜10:50
    安井行雄(香川大学農学部)
    「現代進化総合説の基礎」 発表要旨

  • 10:50〜11:40
    小原克博(同志社大学神学部)
    「西洋思想史における進化論の変遷 ― キリスト教の視点から」 発表要旨

  • 11:40〜12:00
    コメント:黒田末壽(滋賀県立大学人間文化学部)

12:00〜13:30 昼休み

第3セッション「霊長類学における『進化』の捉え方」
サルも生物である以上、サルを研究する上で進化という概念は重要なものです。ここでは、サルを対象としているいくつかの研究分野における「進化」の捉え方をお話いただきました。

  • 13:30〜14:20
    友永雅己(京都大学霊長類研究所)
    「心の進化史とその規定要因 ─比較認知科学がめざすもの」 発表要旨

  • 14:20〜15:10
    竹本浩典(ATR人間情報科学研究所)
    「形態学から見た話し言葉の進化」 発表要旨

  • 15:10〜15:30
    コメント:川本芳(京都大学霊長類研究所)

15:30〜15:55 総合討論

16:00 閉会


(注)
印刷用の発表要旨はこちらからまとめてダウンロードできます(PDFファイル 32.1KB)。

問い合わせ先:
プリマーテス研究会事務局
〒484-0081 犬山市官林26
(財)日本モンキーセンター内
TEL 0568-61-2327 FAX 0568-62-6823