第50回プリマーテス研究会
「遊ぶ子は育つ? −自然と進化、地域と学校−」
日程:2005年11月26日(土)〜27日(日)
場所:(財)日本モンキーセンター・ビジターセンター (地図)
後援:愛知県教育委員会、犬山市、犬山市教育委員会
[概要]
プリマーテス研究会は、毎年霊長類や関連分野について個別のテーマをたて、
専門の先生方にご講演をいただいているシンポジウムです。研究者だけではな
く、動物園関係の方々、学校の先生など教育関係者、その他一般の方も参加さ
れ、分野の異なる友人を得る場でもあります。来年はモンキーセンター設立50
周年を迎えます。それを記念して、本年度は、「遊ぶ子は育つ?自然と進化、
学校と地域」をテーマとしました。モンキーセンターも、遊ぶ場所にほかなら
ないからです。
「遊び」は、鳥類や哺乳類など高等脊椎動物だけに知られる行動です。霊長類
など、成長に多くの学習を伴う動物だけに進化した行動なのでしょう。しかも、
真猿類の遊びはヒトの遊びに似たものを含みます。ヒトは「ホモ・ルーデンス」
と呼ばれてきたように、あらゆる活動分野に「遊び」が忍びこんでいます。文
明は「遊び」のためにある、という見方もできるでしょう。昔の支配者も現代
の政治家もメセナ企業も、スポーツ、学問、演劇、囲碁その他多くの遊びを奨
励し、保護しています。一方、遊びこそ、子供の健全な成長に不可欠な活動だ
という考えが、広まっております。西欧にも、「勉強ばかりして遊ばない子供
は、つまらない人物になる」という諺があります。現代日本では、センター設
立の頃、つまり半世紀前の子供の遊びはほとんど忘れさられ、テレビゲームな
どの一人遊びが幅をきかすようになっています。かつて、地域の子供は異年齢
集団をもち、年長組が年少者に遊びのやり方も教えてきました.その集団も今
は崩壊しています。今ほど、遊びを広い視野から論ずる必要がある時代はない
でしょう。
そこで第50回プリマーテス研究会では、学校教育、民族誌、人類学、野生動
物、飼育動物等の諸分野の専門の先生がたに、それぞれの立場からのお話をう
かがい、現代における遊びの役割を、霊長類の一員としてヒトを見ることから
新しい光を投げかけてみたいと考えました。
[プログラム]
13:30〜13:40 開会の辞・趣旨説明
西田利貞((財)日本モンキーセンター所長)
◆第1セッション「遊び=ヒトと動物をつなぐもの」
2005年11月26日(土)午後13:40〜
西田 利貞 (日本モンキーセンター)
『遊び研究の展望』 発表要旨
長谷川 修平 (南知多ビーチランド)
『イルカの遊び』 発表要旨
早木 仁成 (神戸学院大学)
『野生霊長類の遊び』 発表要旨
黒鳥 英俊 (東京都多摩動物公園)
『オランウータンを飼育下で遊ばせる』 発表要旨
懇親会(於 ビジターセンター)
◆第2セッション「遊びとコミュニケーション」
2005年11月27日(日)午前9:30〜
栗山 陽子(名古屋市健康福祉局児童家庭部)、江上 信子 (名古屋市小幡保育園)
『乳幼児期の遊び −保育園の現場から−』 発表要旨
竹川 大介 (北九州市立大学)
『狩猟は遊び? それとも仕事? −心の進化からみたギャンブル−』 発表要旨
都留 泰作 (富山大学)
『狩猟採集民の歌と踊り』 発表要旨
◆第3セッション「遊びの多様性と変化」
2005年11月27日(日)午後13:20〜
市橋 芳則 (師勝町歴史民俗資料館)
『キオクのなかの遊び −子どもの遊びが世代を超えて発揮するチカラ−』 発表要旨
有本 典子 (犬山南小学校)
『子どもの遊び 〜心を育てるために〜』 発表要旨
寒川 恒夫 (早稲田大学)
『遊びの歴史民俗学』 発表要旨
総合討論
17:00閉会
(注) 印刷用の発表要旨はこちらからまとめてダウンロードできます(PDFファイル、2005年10月24日更新)。
世話人:西田利貞・高野智・竹ノ下祐二(日本モンキーセンター)
問い合わせ先:
プリマーテス研究会事務局
〒484-0081 犬山市官林26
(財)日本モンキーセンター内
TEL 0568-61-2327 FAX 0568-62-6823
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