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「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿といえば、日光東照宮の神厩舎の壁面に彫られた彫刻がよく知られています。「悪いことを見てはいけない、聞いてはいけない、言ってはいけない」という教えとされています。また、日本各地で郷土人形のモチーフとされてきました。
三猿 九谷焼(石川県)
13.2×17.2×9.8 cm
eb-1861
三猿 伏見土人形(京都府)
12.4×4.5×5.7 cm
eb-1863
三猿 渥美焼(愛知県)
8.2×5.8×4.5 cm 3点
eb-1871
三猿 杵島山人形(佐賀県)
5.7×5.0×5.0 cm 3点
eb-2342
四天王寺三猿(大阪府)
6.3×4.0×4.0 cm 3点
eb-0177
三猿 大牟田石炭人形
(福岡県)
6.3×3.5×4.5 cm 3点
eb-1612
三猿 古備前焼(岡山県)
6.5×5.5×5.5 cm 3点
eb-0307
三猿 一刀彫(岐阜県)
6.5×4.6×5.4 cm 3点
eb-1756
一方で日本では三猿は「庚申(こうしん)信仰」とも結びついています。旧暦の庚申の日の夜には、人の体の中から「三尸虫(さんしちゅう)」という三匹の虫が抜け出て天帝に自分の罪を告げ口し、それによって寿命が縮むと信じられていました。それを防ぐために、庚申講という集まりがおこなわれたり、庚申塔を建てて祈る、といったことがおこなわれたりしました。この庚申信仰の本尊が青面金剛であり、その使いとして三猿が庚申塔に彫られることもありました。
絹本庚申尊神 (出所不明)
32.4×16.3 cm
eb-3315
「見『ざる』」の語呂合わせから、三猿は日本独自の物、と思われがちですが、実際には世界各地で作られているものです。ではどこが発祥なのか、いろいろな説が出されていますが、まだはっきりとはしていません。モチーフとなるのは特にチンパンジーが多いようですが、アフリカのヒヒのようにその土地でなじみのある種類が選ばれることもあるようです。海外では股間に手を当てる「せざる」,あるいは頭を押さえた猿などの4頭目を加えた「四猿」も多くみられます。
ヒヒ三猿 ケニア
15.5×3.5×5.7 cm 3点
eb-1885
三猿 フィリピン
12.5×21.6×6.7 cm
eb-0974
三猿 イタリア
5.0×5.0×7.0 cm 3点
eb-5578
三猿 ベルギー
8.0×8.5×25.0 cm
eb-5566
三猿 ペルー
(アメリカ合衆国で購入)
9.5×6.0×8.0 cm
eb-5532
四猿 香港
17.5×5.5×7.5 cm
eb-5558
四猿 カナダ
4.5×8.2×2.2 cm
eb-0351
おなじ三匹の猿の姿でもよく見ると違う格好をしたものがあります。「よく見て、よく聞いて、よく話せ」というもの、あるいは目や耳を片方だけふさいでいるものなど、さまざまな「変わり三猿」が作られています。どんな意味があるのでしょうか?
変わり三猿 瀬戸焼(愛知県)
5.3×3.8×3.4 cm 3点
eb-2348
変わり三猿 南アフリカ
11.5×9.5×10.0 cm
eb-5543